太陽光発電導入奮闘記

2013年3月24日、我が家の屋根に太陽光パネルがのりました。
Panasonicの233wパネル28枚で6.524Kwのシステムです。

営業ゲリラ電話着信から竣工に至るまで約4ヶ月、様々な課題にぶち当たりましたが、以下のことを学びました。

・見積もりは複数社からとる
・屋根裏を見ずに見積もりを出す会社は信用するな
・ネットで十分情報収集して自分なりの決定ライン(容量、金額)を明確にする
・工法は施工業者としっかり話して納得すること
(それぞれの詳細は最後に記述します)

今回はそのドラマを公開させて頂きます。

きっかけ

2012年11月中旬、ヤマダ電機から電話がかかってきました。
「太陽光発電に興味はありませんか?」
自宅は一戸建ての南向きで、障害物もなく立地的には絶好の条件なのですが、屋根勾配が10寸(45度)と急なんです。
このため、太陽光の飛び込み営業が何度かやって来ましたが屋根を見て諦めて帰っていったことがありました。
屋根勾配の話もした上で「是非話をさせてほしい」との事だったので訪問してもらうことにしました。
(ちなみにターゲットとする市街局番に対して片っ端から電話するというローラー作戦をとっていたそうです)

ヤマダ電機来訪

初回訪問時は2013年4月から太陽光発電による余剰電力の売電単価が現在の42円から下がること、国の補助金も減ることを語り、「今が絶好のタイミングである」と強烈にアピールして来ました。こちらもすっかりその気になり、設計図を渡し提案をしてもらうことにしました。
「10kwを超えると全量買い取り※をして貰える。それくらいパネルが乗るかもしれないです。」という言葉を残して・・・。
※全量買い取りとは
 通常太陽光発電で発電した電力はその家庭内で使用し、余った分を電力会社に売ることになります。
 しかし10kwを超えるシステムの場合は発電した電力をすべて電力会社に売ることができます。
 詳しくはこちらにわかりやすく記述されています。

太陽生活ドットコム よくある質問”余剰電力の買取と全量買取は何が違うんですか?”

ヤマダ電機提案

数日後営業マンがやって来ましたがチョット様子がおかしい。
「10kwのるかもしれないと言っていましたが無理でした」
提案を見ると約7.5kwでした。どうも図面の見方を間違えていたようです。
パネルはカナディアンソーラーというメーカーでした。
ただ、このシステムでの発電予測、現在の使用電力量から想定した売電料などの数字を出してきて、投資に対する回収は十分 できると熱弁。
金額の値頃感が全くわからなかったのですが、値引き交渉を開始したところ
「この機会にオール電化にされてはいかがでしょうか。エコキュートとIHコンロを格安でご提供します」
確かに安い。でもまだ納得行かないことを伝えると
「家の照明をすべてLEDにかえさせて頂きます」
といってきた。LEDにしなくで良いので冷蔵庫と洗濯機をつけてくれというと、なんと渋々OKが出てしまいました。
「ただ、今契約してもらえるなら」
という条件付きでした。


契約

この段階で「相当よい買い物をしている」気分の私は契約をしました。
ただ、他社見積もりも取りたいし、もう少し情報収集をしたいという気持ちもあったので
「クーリングオフする可能性は大いにあるけどそれでも良いか」
と聞くと
「構わない」
とのこと。ご丁寧にクーリングオフの仕方まで教えてくれた。
ちなみに、ここまでの間でヤマダ電機はうちの屋根裏のチェックは全く行なっていませんでした。これが後で物議を醸し出すこととなります。


他社見積もり

クーリングオフまで日数がないため、すぐ見積もりに来てくれることを条件に家電量販店やガス会社などに電話。
数社が応じてくれました。各社
「訪問時に屋根裏見せてもらえますか」
と聞いてくるので、問題ないと回答。そういえばヤマダは屋根裏見てないな・・・。


問題発覚

某家電量販店の営業マンが最初に来てくれました。
見積もりをお願いしたところ
「図面を拝見出来ますか」
とのことなので、準備していたものを見てもらったところ
「やばいかもしれないなぁー。屋根裏拝見出来ますか。」
とのことなので実際に見てもらった。
で、営業マンが言うには、我が家の屋根は瓦の下に防水兼断熱の特殊な素材※が載っているとのこと。
太陽光パネルは通常、瓦の下にある垂木、野地板といわれる木材部分に固定するそうなのですが、そのためにはこの特殊素材に穴を開ける必要があり、防水性が著しく低下するとのことでした。
その後、他社営業マンも同じ理由で見積もってもらうことすら出来ませんでした。 瓦下にある特殊素材についてヤマダ電機に連絡したところ、「実績のある施工業者を探すのでクーリングオフは待ってほしい」との回答。 ※特殊な素材について
株式会社サカイのユカルーフという瓦下地材
http://www.yukaroof.com/
これ自体は優れたものであり何か問題があるわけではありません。

屋根に穴を開けない工法

すっかり太陽光発電を付ける気持ちになってしまった以上、そう簡単に諦める気分にはなれません。
屋根に穴を開けずに太陽光パネルを載せる方法がないか、いろいろ調べたところありました!
オルテナジーという会社のシンプル・レイ工法※というものです。
金属(多分アルミ)でフレームを作り屋根の上にのせ、端をワイヤーで屋根に固定し、このフレームの上に太陽光パネルを載せるというもので、屋根に一切穴は開けないどころか、瓦を持ち上げることすらしません
藁にもすがる思いで早速電話したところ
「対応できると思います」との心強い回答。現地確認に来てくれることになったが、急なお願いだったので施工代理店のハウスキューブ※と言う会社の方が来てくれることになった。
※シンプルレイ工法について
オルテナジー社のサイトに詳細が書かれています。
http://www.altenergy.co.jp/
※ハウスキューブについて
京都の会社でオルテナジーさんに紹介してもらいました。
http://housecube.d-x-b.jp/

シンプルレイ工法での見積もり

急なお願いにもかかわらず、速攻でハウスキューブさんが見積もりを出してくれました。
パナソニックと中国のトリナソーラーというメーカーの2パターンの見積もりが来ましたが
・容量が205w*42枚=8.61kwとヤマダ電機提案より大きいこと
・パナソニックの見積もり金額が非常に高かったこと
を理由にトリナソーラーで詳細を詰めることとした。
これでヤマダ電機の提案には何の未練もなくなったわけです。


ヤマダ電機クーリングオフ

クーリングオフの書面を送付する前に、ヤマダ電機の担当者に電話をかけクーリングオフすることをつたえました。
ほとんど諦めていたようで、特にしつこく食い下がられることもありませんでしたし、何の問題もなくクーリングオフできました。


トリナソーラーで契約

施工内容や価格面の交渉、工事時期など細かい点をすりあわせ、トリナソーラーのパネルで契約を行いました。
契約が12月下旬。1月末にはパネルが付く予定とのことですごく楽しみにしていました。
ちなみに、ヤマダ電機の見積との比較はして納得していましたが、この時点でネット上の価格調査はあまり実施していませんでした。



パネル枚数が減る?!

さあ、あとは工事を待つだけだな・・・と思っていたところ、ハウスキューブから電話がかかってきました。
「当初42枚のパネルが載る予定でしたが、2枚程度乗らない可能性が出て来ました。詳細は改めて連絡します。」
え?!
42枚想定で投資回収シミュレーションしたのに・・・。
でも2枚程度なら大きない影響もないかと思っていたら、大幅に減る(具体的な枚数は教えてくれない)とのこと。
図面に書かれた屋根の実寸を水平方向の寸法と勘違いされていたようで、どこで勘違いが起きたかはわからないままです・・・。


トリナスマートの出荷停止発覚

トリナソーラーでは”トリナスマート”という機器が標準で付く、とカタログに書いてありました。
・太陽光パネル1枚1枚の状況がわかる
・影ができた場合でも従来比最大160%の発電効率を発揮
・スマートフォンで発電状況が確認できる
というスグレモノです。これがあるので発電状況確認モニターは見積から外して価格を下げてもらいました。
しかし、上記パネル枚数減の情報と合わせて、このトリナスマートも現在出荷していないとの説明もありました。
モニターは無償でつけてくれるとのことでしたが発電効率改善効果がなくなる点が納得行きません。
さすがに私もキレてしまい、
「1階の屋根も使っていいから42枚載せる図面を考えてこい。しかもトリナスマートがない分価格も下げてほしい。」
と指示。
数日後出てきた図面はパネルを205wから215wに変え、1階に6枚、2階に36枚にした内容でした。
しかしパネルの並べかたが「無理やり載せました」と言わんばかりの配置で価格もKwあたりの単価が1万円程度下がったのみでした。

パナソニックでの検討

トリナソーラー提案が完全に行き詰まった状態で
「パナソニックで233wのパネルが36枚載せられるかもしれないです。こちらの線で再提案させてください。」
との要望がハウスキューブさんからありました。
容量的には全く問題なく、あとは価格面だけなので、トリナと同等のkw単価で提案いただけることを前提に提案していただくことにしました。


またパネルが減る・・・(涙)

ハウスキューブさんから電話があり
「パナソニックで36枚載りません、すいません。」
との連絡がありました。ここまで来たら大して驚きもしません。
図面と見積もりをFAXするよう伝えたら、パネル枚数28枚、見積もり価格は一番最初のパナの見積よりkw単価の高い見積もりが・・・。


パナソニックで契約

なぜパネル枚数がここまで減ったのか理由が知りたかったですが、この期に及んでミスを深く突っ込むことはしませんでした。見積もり金額は値引き額を間違えたとのことでしたが、それでもまだトリナの単価より高かったのでそれに合わせるよう要請。これ以上細かい交渉は書けませんが、最終的にほぼトリナと同等のkw単価が出て来ました。。
ちなみに以下の理由により一般的な方法に比べ費用はかかりますが、パナソニックのパネルでネット情報言われている一般的なkw単価より多少高い金額となり、納得して契約しました。
・シンプルレイ工法であること
・屋根勾配が急なため屋根全体を覆う足場が必要なこと


施工

パネル工事と室内の配線工事が同時並行で進んだので、外と中をウロウロしながら写真をパシャパシャとりました。
ハウスキューブさんからの提案でモニターは太陽光専用のものではなく、パナソニックのスマートHEMSにしてほしいとの提案がありました。
太陽光の発電状況はもちろん電気回路ごとの消費電力もモニターできるとのこと。これも費用面で多少交渉事はありましたが、国から補助金が10万円出るということで設置してもらいました。
結局太陽光パネルは1日半、配線関係は丸2日がかりで工事完了となりました。



最後に

まだ、売電メーターの取り付けが完了していないので、稼働は少し先となりますが、トラブルがあった分こちらも色々勉強することができ、その上で納得する契約ができたと思っています。

また、ハウスキューブさんもこちらの無理難題に根気強く対応いただけたと思っています。


【これから太陽光発電を検討される方へ】

見積もりは複数社からとる

値頃感がわからない上に、営業マンの投資回収計画を見ると、なんとなく「これでOK」と思ってしまいますが、必ず複数の業者から見積をとり 、比較するようにしましょう。

屋根裏を見ずに見積もりを出す会社は信用するな

屋根裏を見ずに見積もりを出す会社は怪しい と思いましょう。工事中止や追加費用請求、手抜き工事などされたらたまりません。

ネットで十分情報収集して自分なりの決定ラインを明確にする

海外のパネルメーカーは相当安価で設置されている書き込みをよく見かけます。
価格.comなどを見ていると、メーカーごとのkw単価がだいたいわかるのでひとつの基準としましょう。
しかし我が家の様に特殊事情がある場合は単価アップはやむを得ません。あまりネットの金額ばかり強調すると施工業者側もやる気をなくす のでほどほどに。

太陽光発電全般については太陽生活ドットコムさんがとても充実しています。

http://taiyoseikatsu.com/

設置における価格の妥当性については価格.comのクチコミを参考にしました。
http://bbs.kakaku.com/bbs/-/BBSTabNo=65/

工法は施工業者としっかり話して納得すること

我が家の施工をしてくれた職人さんとも話をしましたが、屋根に穴を開けるということは雨漏りのリスクは必ずあるということです。いろいろな工法がありますが、屋根形状、屋根材質、家屋の構造などを考えてリスクの少ない工法を業者の方と採用するようにしましょう。



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