作成工程
私の革製品の作成過程をご紹介します。ここではペンケースの例です。各作品の個別の作成過程は随時ブログにアップしております。
デザイン検討
形、サイズはもちろん使い勝手を考慮してデザインを考えます。初期デザインを考えてすぐ製作にかかるとあまりいい結果にはならず、2,3日置くと新たなアイデアが生まれたりします。
サイズ検討
収納するものをベースにサイズを考えます。革には厚みがあるので、それを想定して考えないとモノが収まらなくなってしまいます。意外と大事な工程です。
アイデアの検討
単純に収納するだけではなく、ちょっとした遊び心を持ったアイデアを取り込みたいと思っています。写真はペンケースに着脱可能な消しゴムケースのラフスケッチです。
図面作成
ここまでの検討結果をもとに図面(型紙)を作成します。私はフリーソフト”AR_CAD”で図面を作成します。「フリーでここまでできるのか!」と思うほどとても素晴らしいソフトです。
AR_CADはこちらからダウンロードできます。
型紙の印刷
パソコンで作った型紙を印刷します。自宅のプリンタはA4までしか印刷できないので、収まらないものは切り貼りします。
模型の作成
新作の場合は紙の状態で模型を作ります。先ほども書きましたが革と紙では厚みが全く違うので、紙の状態ではかなりゆとりがある状態である必要があります。
このさじ加減が難しいです。ここで問題があったら図面を修正します。
革の裁断
紙の模型で問題がなければ、改めて型紙を印刷して革の裁断をします。ここではまだ大まかなカットです。
刻印と染色の準備
刻印と染色を行うための下準備としてマスキングテープをはります。革が曲がっているとマスキングテープがまっすぐ貼れないので慎重に作業をします。
刻印打ち
革を濡らして刻印を打ちます。油断すると刻印がずれてしまうので集中して作業します。綺麗にできるととても気持ち良いです。
染色
15cm四方くらいにタオルを切って丸めます。このタオルに染料をしみこませて、トントンと革をたたいて染めます。ものすごく地道な作業です。
この結果として刻印部分は革の色が残ります。
パーツの作成
本体以外のサイドパーツやベルトなども作ります。染色した部分をうまく使ってパーツを作ることもあります。
染色の完成
染色を行った後、マスキングテープをはがすと綺麗な二本ラインが出来上がります。私の作品の特徴です。
菱目打ち
布と違って革は厚くかたいので直接針が通りません。なので菱目というフォークの様な形の道具を使ってあらかじめ革に穴をあけます。
木槌で菱目をたたくので音がうるさいです。
縫い合わせ
針に糸を通し、縫って行きます。これも布とはちょっと違った手順で、まずサイビノールというボンドで革を張り合わせます。
その後糸の両端に針を付けてクロスするように縫って行きます。菱目で穴をあけているので、針の先は布用のようにとがっていません。
ほぼ完成
本体の縫い合わせが完了しました。ペンを試しに入れてみました。
そして完成
ベルトを取り付けて完成しました。
いかがでしょうか。このような過程を経て革製品を作成しています。手間はかかりますし、本業のサラリーマンをしながらなので多少時間はかかりますが、ぬくもりのある作品作りを心掛けています。
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2014.03.20 新規登録