レザークラフト道具紹介

レザークラフトの道具について書いていきます。

初心者用セットについて

初めてレザークラフトをはじめるときに最低限どんな道具が必要なのかわからないと思います。私が購入したセットを中心に、ほかにどのような道具があるのか、解説します。

メーカーについて

大きくクラフト社と協進エル社の2社が大手のようです。
クラフト社はパイオニア的存在のようで、レザークラフト関連の本で必ずといっていいほど紹介されています。私はクラフト社のセットを買いました。
協進エル社もいろいろな製品を出しているメーカーで初心者用セットも出しています。

私が買ったセット

私はクラフトの体験教室のあった東急ハンズで、教室終了後、クラフト社の「 レザーハンドソーイングセット ライト (8190円)」を買いました。「 レザーハンドソーイングセット スタンダード (12,600円)」というのもあり、どちらを買うか迷いました。

●共通しているもの
2本ヒシ目打(2mm巾)
4本ヒシ目打(2mm巾)
丸ギリ
ステッチンググルーバー
へりおとし(No.1)
サイドスティック1本
ヘラ付へりみがき
トコフィニッシュ(80ml)
ジラコヘラ(20mm)
サイビノール100番(80ml)
木槌(並) ゴム板(極小)
フェルト(15×25cm)
手縫針(丸針,細)5本
ガイドブック


●ライトにだけ入っているもの
手縫いロウビキ糸(細)(25m)白


●スタンダードにだけ入っているもの
エスコード中(ナチュラル)
手縫いワックス〔1/2〕
別たち〔43mm〕
ビニール板〔18×27cm〕
No.4364 カードパスケースキット


付いている糸が違うことと、ライトにはカードケースを作るための革と別たち、ビニール板がついていないということです。スタンダードのカードケースには全く興味がなかったので、ライトセットのほかに、30*15cmのサドルレザー(1,240円)、グリップの大きい替刃付き別立ち(1,680円)、ビニール板(1,000円)を買い足してほぼスタンダードと同等にしました。

レザーハンドソーイングセット ライトの道具の紹介

 スタンダードセットについては添付のカードケースを作るための革に興味がある方にはお勧めしますが、そうでない場合はライトセットを買って別たち、ビニール板お好みの革を買うほうが断然お買い得だと思います。


ライトセットの各道具の紹介

菱目打ち

レザークラフトでは予め革に穴を開けて糸を通します。
菱目打ちとはそのための道具です。菱目の大きさ、幅ともにサイズが幾つかありますが、最初はセットに付いている2種類で十分です。
極論2本菱目だけでも出来ますが、長い距離を穴あけするとき大変です。かと言って8本のものなどもあるようですが、相当強く叩かないと革を貫通しないと思います。
なお、私の知る限り100円ショップに菱目打ちは打っていないと思います。

by カエレバ
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丸キリ

・革に目印の穴を開ける
・カットするためのガイドラインを引く
・菱目では難しい場所に穴を開ける
・狭い場所にボンドを付ける
などあらゆる場面で大活躍してくれます。ですが、レザークラフト専用の特殊性があるわけではないので、100円ショップの手芸コーナーに有るようなもので十分代用がきくと思います。


ステッチンググルーバー

革を縫う際、縫うラインに溝を彫るための道具です。
溝がなくても菱目で穴を開ければ縫えますが、仕上がりが格好良くなります。また、糸が溝に収まることで糸の擦り切れを予防する効果があります。
一般的に革の端から3mmの部分を縫うのが定石のようなのですが、構造上3mmにセットするのが難しいです。
これを使うのは通常タンニン鞣しなど硬めの革だけだと思います。
クロムなめしは革自体が柔らかいので引っかかってしまいます。

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ヘリ落とし

革の角を落としてなめらかにする道具です。
これもタンニンなめしなどの硬めの革でのみ使用します。
ヤスリを使っても角は落とせるので必須アイテムではないかなと思います。

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サイドスティック

ヤスリです。ボンドで接着をする際、接着面を荒らしてつきをよくしたり、貼りあわせたコバ面を揃えたりといろんなシーンで使います。
「サンドスティック」の間違いかなと思いましたがクラフト社HPでも「サイドスティック」となっていたので合っているのでしょう。チョット硬めの板(材質不明)に紙やすりが貼ってある感じ。表と裏で目の粗さが違います。
これもレザークラフト専用にこだわる必要はないものです。

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ヘラ付きヘリみがき

結構大事な道具です。
床面にトコフィニッシュをなじませたり、コバを磨いたりするときに使います。
半円形のコバ磨き部分とへら部分は簡単にはずせるので、広い面の床処理を行うこともできます。材質が木のものやコバ磨き専用のモノもありますがひとまずこれで私は満足しています。

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トコフィニッシュ

荒れている床面、コバを磨く際に塗る液体です。
一体どのような成分で、なぜこれを塗って磨くと綺麗になるのか理屈はわかりませんが、必須アイテムです。タンニンなめし、クロムなめし、どちらの革もこれで行けます。ものがものだけに代用品があるかどうかわかりません。

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ジラコヘラ

正直何のことかよくわからなかったのですが、消去法で行くと、後述のサイノビール(ボンド)を塗るためのヘラのことのようです。十分代用が効く一品だと思います。

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サイビノール

一言で言うと「ボンド」です。レザークラフトでは縫う前にボンドで貼り付けを行います。その際に使います。レザークラフトでは場面に合わせいろいろな種類のボンドが存在しますが、私のような素人はなんでもこれを使っています。それで特に困ったことはありません。100円ショップで売っている木工用ボンドを代用している方が大勢いらっしゃるようですが私はまだ試していません。

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木槌

菱目やポンチで穴を開けたりするときに殴るために使います。これも必須アイテムですね。
殴ることが出来れば素材はなんでも良いと思いますが、金槌だとポンチなどが壊れそうですのでやめたほうが良いでしょう。
ゴム製のものでやってる方もいらっしゃるようですが、音が多少小さくなる反面、殴った時の反発が大きいとのコメントを良く見ます。自宅に100円ショップで買ったゴム製槌があるので今度試してみようと思います。

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ゴム板

菱目やポンチで革に穴を開ける際の下敷きとして使います。
かなり厚みがあり、それなりの柔軟性が必要です。週刊漫画雑誌で代用しているという記事を目にしたことがありますが、うまくいくのでしょうか・・・。
専用のモノをおすすめします。

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フェルト

鉄の棒(菱目、ポンチなど)を木槌で殴るので結構な騒音と振動が発生します。
それを多少なりとも和らげるのがフェルトで結構分厚いです。
消音効果があればなんでも良いですから、これこそ週刊漫画雑誌でも代用できそうに思います。

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手縫い針

既に記述の通りレザークラフトは菱目で穴を開けてから糸を通します。つまり針の先端は鋭利になっている必要がありません。
そのためレザークラフト用の針はチョット丸まっていて、誤って手にあたっても余り痛くありません。
サイズはいろいろあるようですが、並、大、極大とあり、菱目のサイズ、糸の太さに合わせて決めるそうです。ライトセットには並が5本入っています(写真のした4本)。太い糸を使いたくなり、極太も別で買いました(上5本)。
普通の手芸用の針は恐らく先端が尖っていると思うので、ヤスリなどで多少削れば代用はできるでしょう。ただ、糸の太さはある程度意識しておいたほうが良いでしょう。

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ライトセットには蝋引きされた細めの25mの糸が入っています。糸は大きく化学繊維と麻に素材が分けられます。また、それぞれに対してロウ引きがされているもの、されていないものがあります。
レザークラフトで使う糸はロウで表面を覆います。こうすることで滑りが良くなり縫いやすくなると同時に出来上がりも美しく、強度も増すこととなります。
蝋引きされていないものについては別途ロウを使って蝋引きします。
ロウは100円ショップで売っていて麻の糸に使っていましたが、結構面倒なので最近は蝋引き糸ばかり使っています。

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ライトセットには含まれない道具

別たち

革をカットする道具です。革が切れればなんでもOKですが、ピンきりです。
タンニンなめしなど硬めの革を買ったする場合、刃渡り長目でしっかり刃を上から下に押せる形状のものが良いでしょう。
数百円から専用のモノがあるのでそちらをおすすめします。
スタンダートセットは持ち手が細いものがついていて、手への馴染みが心配だったのでチョット高いやつを買いました。

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ビニール板

革をカットする際の下敷きです。100円ショップのカッティングマットでも代用できると思いますが、結構強い力でカットすることがあるので、あまり薄っぺらいものだとマットごと貫通したりして・・・。私はスタンダードセットに付いているのと同じのモノを別途購入しました。
ここでも週刊漫画雑誌を使っているという情報をちらほら目にします・・・。

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鉄定規

革を裁断する際に使用します。金属類の道具が多いので、プラスチックより使い勝手が良いです。
ダイソーで100円で売っています。


穴あけポンチ

レザークラフト用としては一本400〜500円程度で販売されているが、ダイソーで100円で売っています。
しかもサイズ違いの2本セット!(サイズにもよりますが)
また、ダイソーではないですが、このように先端を交換するタイプのものもあります。
既に何本か購入後に見つけたので、私にとってはあまりお得感はなく購入には至りませんでしたが、所有本数が少ないかたは検討されてはいかがでしょうか。

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セーフティーベベラー

革を漉く(すく)道具です。張り合わせ部分だけを薄くしたいような場合に使用します。
いろんなタイプの道具がありますが、安価で使いやすそうだったのでチョイスしました。

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クラフト染料

赤、青、黄、黒を揃えました。
水性染料の三原色は赤ではなく青味赤、青、黄らしいのですが今のところ特に問題ないです。
紫がうまく作れませんが紫に染めることは、まずないのではないかと

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レザーコート

染料の色落ちを防ぐと同時に革につやを与え保護します

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染色道具

染料はさすがに専用のものを買いましたが、筆とパレット100円ショップで調達。
十分使えます。カービングやスタンピングを行う時に革を濡らしますが、その時にもこの筆を使います。
ガラスのコップもプリンかなんかが入っていた奴を流用しています。


スーベルカッター

カービングをする際に革に切れ目を入れる道具です。
「革を切りながら多少広げる」という感じで、別たちやカッターナイフでの代用は難しいでしょう。
特に指をかける部分がくるくる回るので曲線を表現しやすいというのが最大の特徴です。

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刻印

単独で模様を作ることもできますし、カービングの際にスーベルカッターで切込を入れた後の詳細装飾を行うときにも使います。
非常に多くのデザイン、サイズがあり、全部揃えるのは無理があります。
参考書ページで紹介している「革の技法」という本にカービングの解説があり、そこで使用している刻印はポピュラーなものが使用されているようです。

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更新情報

2013.4.8 個別の道具紹介追加
2013.3.30 当ページ新規作成


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