レザークラフト作成の流れ

一般的な作成技術手順は本やネットにお任せするとして、アイデア出しの段階からの完成に至るまでの流れを書いてみます。

やっぱり自分のほしいものを自分でデザインして、作って、愛用するのが楽しいので(^_^)。
まずは市販本などの型紙を使って簡単なものが作れるようにることが大事ですが、その次のステップのご参考になれば。

何を作るか考える

当たり前の話ですが・・・。

ただ、以下が大事です。

・実際に使うものにする

・自分の技術で作れそうなものにする

この二つを満たさないと途中で挫折すると思います。以下、デジカメケースを作った時の流れをご紹介します。

作るものに求める機能を考える

以下の例のように作るものをどのような形状にするか、どのような機能(ボケットなど)が必要かなどを考えます。例えば・・・。


○デジカメの場合
・交換用バッテリーと予備のメモリカードを入れるポケットが欲しい
・カラビナを付けてジーパンのベルト通しにぶら下げたい
・肩掛けカバンのベルトに通せるようにもしておきたい


○札入れの場合
・スーツの後ろポケットに入れるのでとにかく薄いこと(必然的に小銭入れは付けない)。
・角があるとスーツのポケットがやぶれるので角がないこと。
・出張が多く交通系カードを大阪ではPITAPA、東京ではPASMOを使用している。重ねると使えないので二つ折りの財布にして、左右にカードを入れ使い分けられるようにしたい(改札にタッチするときに開いて使う)


と言った感じです。

ラフスケッチを書く

上記必要機能を踏まえ手書きで絵を書きます。絵心は特に必要ないはずです。収納したいもののサイズを測り、作成するもののサイズや形をフリーハンドで書いて大体のサイズを書き込みます。

もちろん手持ちの革の大きさもある程度想定に入れてパーツの分け方も考えておいたほうが良いです。


ラフ図面を書く

デジカメケースのように形状が複雑になる場合、図面作成に入る前にパーツをどのように構成して、縫い代を含めサイズをどうするかをある程度明確にしたほうが進めやすいです。
図面作り始めてから勘違いに気づいてやり直すのは結構面倒くさいですから。

図面を作成する

正確な図面を作成します。最初は方眼紙に手書きで作りましたが、試作後の修正が事実上不可能で一から作り直すのに心が折れてしまいます。
結局私はフリーのCADソフトであるAR_CADを使用して図面を作成しています。
CADソフトは初めてでしたが、マニュアルなしで簡単に使えました。「フリーでここまで出来るのか」と思うほど超スグレモノのソフトです。
上記公式サイトで入会費、年会費無料で会員になると、マニュアルやフォーラムの情報ももちろん参照することができます。


紙模型で試作する

紙に印刷した図面をハサミでチョキチョキ切って模型を作成します。

立体的な模型ができたら、収納したいものを入れてみてサイズ的に大きな狂いはないか、パーツ間の連携(縫いしろやベルト、金具類の位置関係)は問題ないかを確認します。

 私の経験が浅いというのが理由ですが、最初に作った図面で何の問題もないことはまずないです。問題があった場合は設計を見直します。CADで作っておけば修正も簡単なので、妥協することなく設計を突き詰められます。


ハギレで試作する

「紙模型もできたし、いざ本番」と行きたいところですが、私はハギレで試作をするようにしています。

紙とは違い革には厚みとコシがあります。これが厄介で、実際に作ってみると紙模型だけではわからない様々な問題が出てきます。当然、ここで問題が見つかった場合も設計見直しです。大規模な見直しの場合、紙模型から作りなおして見ることもありますし、微修正であれば試作をしないこともあります。


カービング、刻印、染色の検討

革素材そのものの良さを楽しむのも良いですが、オリジナリティーを出す場合は、一手間加えたいものです。
まだ初心者の私はカービング練習中の身ですが、刻印と染色は簡単に始められるので初心者の方にもお勧めです。
写真の例は弧型の刻印を並べてタオルに染料を染み込ませてトントン叩いて染めています。刻印部分は凹んでいるので革の色がそのまま残り、叩き具合でグラデーションを付け、中央部分に向け徐々に革の色が出るというものです。本体を濃紺のクロムなめしにすることは決めていたので、何色に染めるか試してみています。



本番制作

ようやく本番制作です。
はぎれて試作をしているので要領も良くなってきます。この工程が一番楽しいです。写真はヌメ革をカット後刻印、菱目打ち、金具用穴あけ終了後、染色した状態です、一番上のテルテル坊主みたいな奴が染色に使用したタオルです。(鼻血のついたティッシュみたいですが・・・)


完成!!

パーツを縫い合わせ、金具類を取り付けて完成です。
クロムなめしの革が柔らかく、かつ立体的な形状なので菱目打ちに非常に苦労しました。よく見ると荒い部分が非常に多いですが、とても気に入って愛用しています。


最後に

 以上がレザークラフトの作業手順となります。いかがでしょうか。革と言う素材は非常に扱いやすく、また、材料、道具、ともに思ったほど高くありません。
「これから始めてみよう」と思ってらっしゃる方の参考になれば幸いです。
ネットに自作手芸品の販売代行サイトが有るようなので、腕が上がれば出品してみたいと思っています。

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